大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(さ)8 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金二、五〇〇円に処する。

右罰金を完納することができない場合は、金二五〇円を一日に換算した

期間被告人を労役場に留置する。

理 由

検事総長清原邦一の非常上告申立理由について。

記録によると、昭和三七年一月一九日原審松本簡易裁判所は、被告人が昭和三六

年一一月九日午前三時頃松本市a字bc番地A方二階BおよびCの寝室へ性交の目的をも

つて故なく侵入したとの犯罪事実を判示し、これに対し刑法一三〇条、罰金等臨時

措置法二条、三条、刑法一八条を適用し、「被告人を罰金五、〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間被告人

を労役場に留置する。」旨の略式命令を発し、その謄本は即日被告人に交付送達さ

れ、右略式命令は正式裁判請求期間の経過により昭和三七年二月三日確定したこと

が認められる。しかし、刑法一三〇条、罰金等臨時措置法三条一項によれば、住居

侵入罪の罰金の最高額は二、五〇〇円であるから、原略式命令が罰金五、〇〇〇円

の刑を科したのは、同罪につき科し得べき罰金刑の多額を超えて罰金を科した違法

があり、本件非常上告は理由がある。しかも、原略式命令は、被告人のため不利益

であること勿論であるから、刑訴四五八条一号但書により、右略式命令を破棄し、

被告事件につき更に判決すべきものである。

よつて、原略式命令の確定した犯罪事実につき、刑法一三〇条、罰金等臨時措置

法二条、三条を適用し、所定刑中罰金刑を選択し、その所定額の範囲内において被

告人を罰金二、五〇〇円に処すべきものとし、なおその換刑処分につき刑法一八条

により主文三項のとおりこれを定め、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

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る。

検察官 関之公判出席

昭和三八年一一月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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